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イタリア人はバカンスのために生きている。夏の1ヶ月のために残りの11ヶ月は我慢して働くのだ。そして待ちに待ったバカンス、8月(正確には7月末〜9月頭)は、完全に国の機能が止まる。ここ数年でましになってきたが、以前はスーパーマーケットさえ閉まって、餓死するんじゃないかと思ったほどである。1ヶ月も休んでどうやって成り立っていくのか不思議に思うが、みんなが休んでいるからそれが「常識」になるのだ。取引先が休んでいれば仕事のしようがないし、物を作っても店が休んでいるから売りようがない・・・。自分だけ休んでいるわけではないからライバルに抜かれることもなければ、ボスに怒られることもない・・・。
そういうわけで、ミラノは完全にゴーストタウンになる。ごく街の中心では観光客のために開けている店もあるが、多くのレストランやホテルさえも閉まるので、観光収入にもあまり興味がない様子のミラノ。とはいえ、この不況で夏のバカンスにいけないファミリーが40%もいるのだという。筆者には数字は絶対信じられないが、とにかく何らかの理由でミラノを脱出しない人はいるわけで、そういう人たちは果たしてミラノをどう生き延びるのか?
実は夏だからこそのお楽しみはいっぱいある。例えば、ミラノにはアペリティーボ(食前酒)という、飲み物を頼むとおつまみビュッフェから好きなだけとって食べられるというシステムがあって、ミラネーゼに大人気。ミラノでは軽いデートのお誘いにも「今度お茶でもいかがですか」的なノリで「今度アペリティーボしませんか」と言う言葉が使われているほどだが、このために夏の間だけ夜はプールを公開し、アペリティーボ用のバーに変身するところも。プールサイドをバーにしてあり、水着で入場すればプールにも入れる「アルジェラーティ」のプールや、プール脇の庭にモダンファニチャーを並べて、雰囲気のあるバーにしている「ソラーリ公園」のプールなど、それぞれが個性的だ。
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■プールのバーが人気なのは、ものめずらしさに加え、オープンバーであることも大きな理由。なにしろ、イタリア人は外にいるのが大好きだ。ゆえにミラノ、夏の風物詩のもうひとつ、ナビリオも外せない。ミラノ南部にあるナビリオ運河付近は運河沿いに小さなお店やバーが軒を並べるミラノで最もINなゾーンのひとつだが、夏の間はこの付近のクルマの侵入を封鎖し、運河沿いの道路にもテーブルが並べられ、運河全体がオープンバーに変身する。運河沿いの店も遅くまで営業していたり、外国人の謎の屋台(果たして合法なのかは謎)も並び、連日遅くまでにぎやかだ。
夏の間は映画館も休みになるのだが、ミラノ郊外の公園などで野外シアター(ここでもキーワードは”外”)がオープンする。「野外」のため上映は夜1回だけだが、6月末〜9月の初めまで毎日違った映画をやってくれるのもありがたい。
または7月末〜10月まで街中のいくつかの教会でクラシックコンサートを行うところも。教会の音響設備はかなりよいのに加え、雰囲気も抜群、そして涼しいのも手伝って、夏の教会コンサートはミラネーゼのお楽しみのひとつとなっている。
一方、博物館や美術館などでも、夏ならではのイベントを企画しているところも多い。スフォルツェスコ城、水族館、自然史博物館、現代史博物館など様々な施設が、開館時間を延ばしてガイド付ツアーなどを開催。特にスフォルツェスコ城は、まさに8月にこそ、普段は公開しない部分のガイド付きツアーなどを企画していて、なかなか興味深い。
というわけで、バカンス難民にも優しいミラノ。愉しむことに貪欲なイタリア人は、ゴーストタウンでも幸せに暮らしていけているようだ。 |

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| text by Carmella ACTUS MILANO 市内特派員 05. August. 2007 |
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