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前回は、何らかの理由でバカンス中の8月もミラノに居残るミラネーゼたちについて話したが、一方今回は典型的なイタリアのバカンスのお話し。繰り返すが、「イタリア人はバカンスのために生きている」。だから平均的なバカンスは、“8月いっぱい仕事は休んで街から逃避すること”。そして今年もやっぱり同じような8月がすぎた。
イタリア人にとってバカンスの王道は海。日焼けが命、のイタリア人は、小麦色の肌を目指して、微動だにせずひたすらビーチで焼き続けるのがバカンスの使命だ。ゆえに南イタリアや南欧のビーチの家(これは別荘だったり、夏の間だけの貸家だったり)で、まるまる1ヶ月を過ごすというのがイタリア人の典型的なバカンススタイルだ。ちなみに、イタリアの高級リゾート地といえば、ポルトフィーノや、カプリ、アマルフィ海岸、フォルテ・デ・マルミ、またはサルデニア、リド島やエルバ島などの島々・・・。
これらの高級リゾート地の多くには、高級ブランドのブティックや洒落たレストランやバーなどが乱立し、まるでミラノのようだ。もちろんこういうところに別荘を持って、長年変わらず通い続ける富裕層も存在するが、毎年、その夏のバカンス先に頭を悩ます(実際、バカンスのプランは年明けから始め、春先には予約を開始する)一般市民たちは、最近ではこの物価高のイタリアを避けて、より安いクロアチアなどの東欧のビーチリゾートや、まだイタリアより多少は安いギリシャやスペインなど近隣国に逃げる人も多い。ちなみにミラノの一般市民たちは今まで、ミラノから近いリグリア、トスカーナや、比較的お安めだったマルケ、プーリアなどの海で過ごしていたが、最近は外国人(特に最近はエコノミーブームのロシアや中国)によって、別荘などの買収劇もかなり多く、どこでも価格は釣りあがっているのだとか。
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ただ、経済的な理由だけではなく、イタリア人のバカンスへの意識自体も少しずつ変わってきているらしい。インターネットの普及が手伝ってか、最近は7月の2週間は海、8月の1週間は山などバカンスを分けたり、「美術館巡り」や「グルメ散策」ようにテーマを決めて動く人が増えているとか。バカンスには山のような荷物を車に積み込み、旅先でも結局いつものパスタを食べ、かたくなに同じ生活習慣を守らないと気がすまなかったイタリア人達も、いろいろな情報が簡単に入手できるようになったおかげで、興味のあるテーマで新しい体験に挑戦するバカンスを楽しむようになってきたらしい。
また、アジアなど今まではあまり注目されていなかった地域への興味も年々大きくなっており、このユーロ高を利用して、今、大きく変化している中国や、物価が高くて今まではなかなか行けなかった日本に行く人も増えている。先日、日本では外国人向けの「アキハバラ」ツアーなどがニュースになっていたが、このイタリアでも、日本のイメージは「スシ」、「ゲイシャ」に「サムライ」から「ハイテクノロジー」と「アニメ」の国へと変わっている。
とはいえ、結局のところ、バカンスが開けたばかりのミラノには、やはり断然“日焼け自慢”派が溢れていた。すっかり涼しくなった街を、無理して肌をひけらかすようにノースリーブやミニスカートで闊歩するマダム、バスの待ち時間などわずかの時間に、焼けた腕を誇らしげに眺めるイタリア男・・・。いずれにしても、仕事に戻ったばかりのミラネーゼたちは、いつもより一層イライラした様子で、街は通常にもまして喧騒に包まれている。
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| text by Carmella ACTUS MILANO 市内特派員 05. September. 2007 |
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