 |
■
ヴァチカンのお膝元ゆえに、敬虔なカソリックの国として知られているイタリアでは、当然、クリスマスは1年で最も重要な行事である。宗教的に重要なのはもちろん、一家で祝う行事として日本のお正月のように大切な日である。とはいえ、真実を言うと今の若者はさほど信心深くもなく、クリスマスイヴの日も教会のミサにさえ行かないほどだが、表向きはやはり今でも宗教的行事は重要で、その最高峰は否が応でもクリスマスなのだ。そしてこの美食の国では、当然のごとく宗教的行事には必ず料理がつきまとうわけで、信心深いかどうかはさておき、この部分だけは総国民正しく参加するのが現代イタリア祭事情なのである。
■
イタリアではよく「クリスマスは家族と、イースターは誰でも好きな人と」といわれる。クリスマスは日本の正月、正月は日本のクリスマスのようなもの、と言えばイメージがつかみやすいかと思うが、とにかくクリスマスは家族と過ごすものなのだ。伝統的には母家に親戚一同が集まって、クリスマス用の特別料理を作ってランチをするのだが、最近はイタリアでも大人数のクリスマス料理を準備するのは大変だということで、クリスマスランチをレストランで済ませる家族も多い。いずれにしても、前菜、プリモ2品、セコンド2品、デザート(クリスマスにはパネトーネかパンドーロ)…というメガランチが当たり前。
|
 |
|
 |



|
ちなみに基本的にはカソリックの国の場合、キリストの生誕を待つ24日のイヴは身を清めるための断食の日とされるので、肉は食べずメインは魚。一方、25日当日は肉が解禁とされているようだが、地方によっても違うし、最近のイタリアでは2日連続でクリスマス料理をやる家庭も少ないようだ。なんといっても、飲めや食えやが延々3~4時間は続き、食べ終わったら夕方…。これはさすがのイタリア人でも体力がもたない。そして、体重も気になる。とはいえ、食べすぎを気にしながらも「クリスマスだから仕方がないさ」、と簡単にわが身に“情状酌量”してしまうがイタリア人のいいところなのだが。
■
もうひとつ、イタリア人が“情状酌量”するのが、「散財」。25日の朝にクリスマスツリーの下においてあるプレゼント、というのはイタリア中の子供のお楽しみだが、大人同士もクリスマスプレゼントを交換し合うのが常で、夫婦間や両親にだけでなく、祖父母、叔父、叔母、いとこ…と親戚一同に、さらには親しい友達にもプレゼントをしなければならないので、ご当人達も実は厄介だと思っている。またお世話になった仕事関係者にも、クリスマス食材の詰め合わせなど、日本のようなお歳暮を贈ることも多い。ゆえに毎年10月の終わりから街のショーウインドーはクリスマスデコレーションでいっぱいになり、12月に入ると街中のショップが日曜も休み撤回でオープンし、クリスマス商戦に力を入れる。そうやってイタリア人達は、結局のところ毎年、何を送ろうかに頭を悩ませ、お財布を心配しながらも「クリスマスだから仕方がないさ」と山のようなプレゼントのショッピングに走るのである。
一方、正月はイタリア人にとってはさほど重要でないので、若者だけが勝手に盛り上がる。もともと冬休みは長くないが、休みが取れる人はクリスマスが終わると旅行に出かけ、街に残る人は年越しパーティやイベントに。都市部では年越しのオールナイトイベントを企画するクラブやバーも多く、31日にはみんなどこかのイベントに参加して、何かしら楽しまねばならないと躍起になる。
そして、年が明けるとあっさり2日から仕事始め。クリスマスに蓄えたおなかの肉を消費すべく、せっせと働きジムに通う普通の毎日に戻るのだ。
|
|
| |
| text by Carmella ACTUS MILANO 市内特派員 05. December. 2007 |
| |
 |
| |