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Friluftsliv JournalBe yourself with nature

ノルウェー思い出ばなし

子供の頃からよく訪れていたノルウェーには、フリルフスリフ体験の思い出がたくさんある。なかでも、両親と妹と4人で行ったロンダン国立公園 (Rondane Nationalpark)でのハイキングは、今でも鮮明に覚えている。

私が8歳のときだった。どこまでも果てしなく続く大自然は、ありのままの荒涼とした姿で人を寄せつけず、見とれてしまうほど美しかった。途中、至るところに湧き出る水で休憩をとりながら、山道を何時間もかけて歩いた後、高山に広がる湖のそばにテントを張った。水面でマスが飛び跳ねていた。両親が食事の準備をしているあいだ、腹がすいていた私は、魚を捕まえようと必死で試みたけれど無駄だった。プリムスの小さなガスバーナーからでる音と、その匂いも覚えている。火が消えてしまわないようにと、父が穴を掘り、周りに石を積み上げて風を防いだ。私と妹は、寝袋に入ったままテントから顔を出して、強い風に波立つ湖面を眺めながら、温かいトマトスープをすすった。

ハイキングに行ったのは、夏至祭が終わってまもなくの6月末だったと記憶しているが、山の天気に時期は関係ない。そのうちに雪が降りだしてきたので、父がテントのジッパーを閉めて、家族全員ぴったりくっついて横になった。そして、ランプのほのかな灯りのなかで、母が本を読み聞かせてくれた。私はこれ以上ないくらいの安心感と心地よさに包まれながら、妹と一緒に眠りにおちていった。翌朝、目が覚めてテントを開けると、外は雪で真っ白になっていた。

ノルウェーの大自然は、自分にとって、幼年時代から育ってきた過程でとても大切な、人生の一部であった。今日でも、安らぎを求めて、自然とつながるためにそこへ戻っていく。そして、かつて両親がそうしてくれたように、素晴らしい体験の機会を、可能な限り我が子にも与えていきたい。自然の中でインスピレーションを受け、多くの発見と学びを楽しみながら成長していく子供たちの姿を見守ることが、私にとって何よりの喜びだ。
(訳:via&plus)

Torleif(デンマーク在住/50代男性/脚本家)
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