ONLINE SHOP

14-23がうまれるまで【Part 2】

プロダクトの開発や企画の裏側を、関わっていただいている様々な分野の方にインタビューる“Diary”。

今回は「なんか、いい感じ」を共有してくれる人の元へ、気持ちのいい「家のテキスタイル」を伝え届ける布の専門店 ”ieno textile” さんにインタビュー。
good eighty%でも取り扱っている14-23(イチヨンノニイサン)という140×230cmの暮らしにちょうどいいサイズの布を製作されるようになったきっかけや、
お家での布の楽しみ方についてお聞きしました。 【Part 1】 から続きます。

左:デザイナーの早坂俊保さん 右:代表取締役/テキスタイルクリエーターの南村弾さん
https://ienotextile.com/

_ieno textileさんの布は色も絶妙にきれいで、魅力のひとつだと感じています。色はどのようにして決めているのですか?

南村|以前はお手伝いしているテキスタイルの国際見本市のトレンド色をそのまま商品に反映させることが多くありました。コロナになって展示会ができなくなった時期に、ieno textileを取り扱っているお店の方との会話の中から新色をつくったりもしました。以前よりお客様の方からもこんな色がほしいというリクエストのお声も多くなりましたね。単に色を足すよりも展開している色と一緒に使えることを重要視しています。

早坂|サイズと同じ考えで、色柄も30種類と布専門店としては少ない展開にしています。種類がたくさんあると初めはワクワクするのですが、そのうちどれにするか迷走して、考えているうちに疲れてしまうお客様が多いことに気づきました。それがもったいないと感じました。私たちは30種類の中に何か答えはあると思っていますし、実際にお客様もその中からお気に入りを見つけて帰って行かれます。店頭で14-23を気に入ってくださった方へも、全部屋分を1回で購入していただくというよりは、試しに1枚買っていろんなお部屋で使ってみて、良かったらまた足してください、とお話しすることもあります。サイズが決まっているから気軽にお試しいただけるのだと思います。

南村|インテリアは買い足し・買い替えと言っても使用期間が長いから、前見たものが欲しいと来店したときにはもうなくなっていたりします。物を作っている側からしたら3年も前のものと思うけれど、お客様からしたらついこのあいだ見た物なんですよね。発売のペースは難しいですが、新柄だけが新しいエネルギーではなくて、今展開している布を長く続けていくことが大切とも思っています。

左:TOSS Yellow/真ん中:TOSS Mint は2023年9月15日(金)よりgood eighty%でも取り扱いを開始します♩

_ほどよい落ち感と柔らかさのあるRe:nen(リーネン)はリサイクル素材を使用されています。サステナブルな素材を使うようになったきっかけはありましたか?

早坂|南村は以前からリサイクルに興味があってものづくりをしていました。環境にやさしいという理由だけではなくて、織られた状態の布そのものの風合いが面白いから使っています。リサイクル素材を使用した布は独特な厚手の質感がいいんです。Re:nenはリサイクルリネンで織っています。新品の麻にしか出せない良さももちろんありますが、新品の麻はシャリ感があって夏の涼しげな印象です。Re:nenの糸は使えなくなった布や余った麻の繊維を一度粉砕して綿にして、もう一度紡績しているんです。そのため柔らかさが増して季節を問わず使える表情になります。リサイクル素材だからこそ出せる柔らかさなんです。

南村|AHAHA(アハハ)という布は、新品で作ることも出来ますがリサイクル素材を選びました。半分は白い布だけを集めて紡績し、もう半分はグレーの布だけ集めて紡績した糸で織っています。わざわざ染めた色ではなくリサイクル素材ならではのMIXされた優しい色合いが目に優しく穏やかな印象になっています。日本って「もったいない文化」があるじゃないですか。何百年も前から長く使う、修理してまた使うという考え方が衣食住どれにおいても根付いていた。なのにこういう糸を使っている布がなかったんです。
ありそうなのにない。だから使うだけで質がデザインになると思ったんです。

上下を好きなように使えるのもマルチクロスならでは。
*AHAHAは現在取扱いストップ中。 来春(2024年春頃)に再開見込みです。

_素直に布と向き合うieno textileさんならではの商品ですね。使い方は使い手の自由が魅力の14-23。新しい使い方の発見があれば教えていただけますか?

南村|窓や扉、クローゼットの全てをTOSS Whiteでご使用の方がいらっしゃいます。クローズしないんです。(笑)

早坂|布で建具の役割を担っていらっしゃって。クローゼットの扉を布にすると全部開けられるんですよ!扉だとそうはいかないですよね。しかも明るいし風通しが良くて。良い使い方だなぁと思いました。

早坂|昨年8月(*2022年8月)に代々木上原で開催されたgood eighty%のPOPUPに行ったときに、なんだかieno textileらしさも会場で感じました。周波数が合うというか。言っていること、伝えたいこと、見せ方にも共感しました。ieno textileも始めた当初から ”なんか、いい感じ” を伝える布の専門店として進んできているので、”so far, so good -今のところいい感じ-”をアイデンティティに持つgood eighty%とは、いつでもフィットする感覚があります。読者のみなさまにも、肩の力を抜きながら、布を通してインテリアや暮らしを楽しんでいただけると嬉しいです。

Text:Maho Nishimoto, Ryo Fukada

Back to Stories