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Domino Shelfが生まれるまで

プロダクトの開発や企画の裏側を、関わっていただいている様々な分野の方にインタビューする”Diary”。今回は、暮らしが移りゆく中でも用途を変えて使い続けられる収納を提供できないか、、そういった思いでgood eighty%の新作オリジナルシェルフ「Domino shelf」のデザインを手掛けて頂いた西岡悠翔さんにインタビューしました。

西岡悠翔さん
プロダクトデザイナー。中国、オーストラリア、スウェーデンなど、多様な文化圏で育ち、カナダの大学でインダストリアルデザインを専攻。HAYデザインコンペでの受賞歴も持つ。海外で培った多角的な視点と様々な素材や技術を融合させ、生活に寄り添い長く愛されるプロダクトを追求している。
https://yushonishiokastudio.com/

_お時間頂きありがとうございます。早速ですがそもそも、なぜgood eighty%のデザインを西岡さんにご依頼しようと思ったかというと、2022年のgood eighty%のブランドリリース後、移り変わっていく暮らしにフィットする収納アイテムをオリジナルで開発したいという話が持ち上がりました。その中で「スーパースリムシェルフ」というキーワードが生まれ、プロジェクトメンバーでPinterestなどでリサーチを重ねていた時、西岡さんがカナダで制作された、あるスリムな棚のデザインが目に留まりました。

西岡|あの、天板の奥行きが15cmくらいのシェルフのプロトタイプですね。

_そうです!あのデザインがとても印象的で、「このデザインは誰が手掛けているんだろう?」と調べていくうちに西岡さんの存在を知り、この方に是非デザインを依頼してみたらいいことが起こりそう!という風になりました。たしかその時、日本に移住されて間もないタイミングだったそうですね。

西岡|そうですね、日本に戻ってきて半年ほどでした。日本のインテリアブランドさんからお声をかけてもらえるとは思っていなかったので、率直にとても嬉しかったのを覚えています。good eighty%というブランドは知らなかったのですが、都市のコンパクトな暮らしに合う、使い続けられるプロダクトという、良い意味でのニッチなコンセプトでありながら、幅広くニーズに対応できるようなプロダクトを提供していてすごく新鮮さと面白さを感じました。

_当時はまだ明確な要件を探っていた段階だったので、まずは西岡さんの方で自由にアイデアを出していただいて、そこから方向性を探っていきましたよね。

西岡|はい。既にあるものとは違う、普遍的でありながらキャラクターの立つものを提案したいという思いがありました。特に木の持つ温かみと現代的なデザインをベースにしているgood eighty%のM&Tさんが手がけられた「PER」シリーズ等のプロダクトを意識しながら、海外の多様なシェルフデザインをリサーチしました。


_そうした中で、このDOMINOシェルフの原案となったアイデアは僕達もすごく好きで。スリムな奥行きを考慮しつつ、シェルフって沢山世の中にデザインがあるけど、設置したときにグラフィカルに見えたらいいよねって話していて、背面の構造体としてのスチールのバーがグラフィカルに見えてアイコニックに感じました。

西岡|背面にある補強材としてのスチールバーを、視覚的にも面白い、アイコニックなポイントにできないかと考えました。必要最小限の構造でgood eighty%の「%」の記号の様にもどこかみえたら面白いなと思いました。それから木だけではなくプラスアルファの余白や使い方の為に異素材を組み合わせたら面白いんじゃないかなっていう思想になっていた頃ですね。

_そうですよね。それからグッと惹きつけられたのが、この側面にマグネットをくっつけられるアイデアです。限られた空間の中で自分らしさを反映できるポイントを作れないか、というご提案を頂きました。この発想はどこから生まれたのでしょうか?

西岡|ひねりにひねってです、、というのは半分本音で冗談なんですけど、リサーチの過程で考えたアイデアでした。限られた空間で収納を機能的に拡張する方法を考えた時に、棚板や天板に前から物を置くシェルフという基本機能と、マグネットボードのように壁面で収納するアイデアを組み合わせられないかと思ったんです。この機能的な組み合わせによって、シェルフの新しいあり方を生み出せるのではないかと思いました。

_西岡さんが毎回お打ち合わせの度に、3Dプリンターで作ってきてくださったモックアップを見ながら「これ、可愛い!」って言いながら打ち合わせしていたのが懐かしいです。

_そういえば、開発の過程で複数名プロジェクトメンバーの自宅でサンプルを使って、実際の使い心地を開発にフィードバックするという試みもgood eighty%では取り入れているんですよ。実生活に根差して作る、みたいな。その時にこのDominoシェルフだけで想像以上に凄く収納できるのとディスプレイも楽しめるというのが驚きでした。

西岡|すごい大事なプロセスでしたね。私も実際にサンプルを使わせて頂いてサイズやデザインを最終的に微調整させて頂きました。実際に開発している製品をデザイナーの自宅でテストするのは初めてでしたが、それによって当初の課題だった「スーパースリムシェルフ」から一歩踏み出して、無印のファイルボックスが収まりやすくなったり、一般的に普及している他のシェルフと高さを近づけたりと、暮らしにより馴染み、長く使い続けられる形へと整えられたのは良かったと思います。

_そうですよね、MUJIのシェルフやUSMハラーなどと一緒に使ってもどこか調和していることが望ましいみたいなことは実際お客様は良くあることだと思いますし、そういったこともデザインに含まれていることが良いと思います。

西岡|色に関しても、お持ちのものがメタルやモノトーンのお部屋にはグレーのDOMINO シェルフがおすすめです。温かみのあるフローリングのお部屋であればオークのナチュラルな印象が合いそうです。

_DOMINO/ドミノという名前は、いつの間にか西岡さんから「ドミノシェルフなんてどうでしょう?」とご提案いただきましたよね。

西岡|この印象的なスチールのパンチングのデザインを思いついた時に、ビジュアルから連想して生まれた言葉でした。アメリカやカナダにある工業的なメタルラックには、パンチングやクロスバーが構造として組み込まれていることが多いですよね。そうしたインダストリアルな要素を、現代の生活空間に落とし込めたら面白いと思い、パンチングを取り入れました。ネーミングについては、ドミノのゲームから着想しています。並べて倒すだけでなく、数字を合わせて競うという遊び方もあったり。同じように、このシェルフも単体で完結して使える一方、複数を並べて拡張していくこともできます。ひとつのピースで成立する要素もありながら、モジュラーとして広がる特性が、ドミノという名前にぴったりだと感じました。

_しかもそのパンチング穴が内部の棚板の高さを変える機能と、S字フックなどをかけてバッグや小物を掛ける収納としても使えてマグネットもくっつく。遊び心と機能性が融合していて、まさにドミノシェルフの使い方の余白を感じるアイデンティティになっていてユニークなネーミングでとても気に入っています!

西岡さん:そうですね。棚として使うだけでなく、日々の抑揚に合わせて使い方を変えられることと、暮らし自体を自分らしく彩っていただけたらという遊び心もネーミングに込められてよかったです。いろいろな方に使っていただけたら嬉しいです。

Text:Muneo Watanabe

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